令和5年度 京都工芸繊維大学 デザイン建築 編入合格体験談

はじめまして

京都工芸繊維大学工芸科学部デザイン建築学課程の編入試験について書こうと思います。

僕が受験したのは令和5年度入学、すなわち試験は2022年に実施されたものです。

書くのが遅くなってしまいましたが、受験時かなり情報が少なかった印象なので少しでも役に立てればと思い、今さらながら投稿いたします。

 

書こう書こうとはずっと思ってはいたのですが、どうやら執筆し始めた今日(2023年7月1日)が試験日らしく、本年度受験の方には申し訳ない限りです。

一応ZENPENさんのところに簡単なものを数日前に投稿したのですが、チェックなどのラグがあるので更新されたのは試験当日(しかも多分試験はもう終わっている時間)でした。ごめんなさい。

 

遅くなった分、すでに入学してしばらくたっていますので、入学してからわかることなども交えて書きたいと思います。

 

 

はじめに

まず、僕自身について簡単に書いておきます。

 

  • 関西の高専機械工学科出身
  • 高専在学時の席次は40人ちょいのクラスで20位台
  • 1年間編入浪人
  • 現在京工繊デザインコース在籍

 

こんな感じです。

編入にあたって、とりあえず大卒の称号は得てから社会に出たいというのはあったものの、どうせなら別の分野に進みたいということでデザイン系への進学を考えました。

しかし、高専での成績もそんなに良くなかったうえにあらゆる意思が弱すぎたため、なんやかんやで浪人を経ての編入となりました。

 

ちなみに現役の年は九州大芸術工学部を受験しました。その年は工繊と試験日がかぶっており、つまり工繊に関しては一回目の受験なので実質現役です(?)。浪人の年度は芸工の試験日が10月末か11月だかに変わったため受けることは可能だったのですが、やはり意志が弱く、すでに合格をもらっている状態でモチベーションを維持できず受験しませんでした。

 

また併願に関してですが、出身学科の制限や高専の成績、試験科目などの都合で選択肢は多くないうえ、浪人であとがないのでほとんど機械工学系の学科を併願にしました。

これらの併願先も割と情報が少なかったため、気が向いたら個別に(農工、岡山、埼玉、現金なので落ちたとこは書きません)記事を書こうと思います。

 

ただでさえ多くない編入学人口の中で「浪人」というのは特にレアキャラだと思います。これについても、気が向いたらより詳しい記事を書こうと思います。

 

試験勉強と本番の手応え

試験勉強の方法については、他の優秀な方々の情報があふれていると思いますので軽く書きます。(浪人してる時点で参考にするべきでない)

一応、合格直後に高専に提出した報告書的なやつを参考に書いているので当時の感覚に近いはずです。

数学

数学は、旧帝あたりを除いたほとんどの大学と同様に、微積線形代数微分方程式までで、高専出身ならほぼ3年生までに習う内容でカバーできる範囲です。僕は高専時代不真面目で、理系のくせに数学がそんなに得意ではなかったため苦労しましたが、やさしい方だと思います。

 

参考書は鉄板ですが、徹底研究・徹底演習・過去問特訓にくわえて高専の教科書を適宜使用していました。あとは過去問です。

個人的に徹底演習はあまり気に入らなかったのでちょっと浅めです。

あと、微分方程式はやり方さえ知っていれば絶対に解ける問題しか出ません。覚えゲーでとれる数学の点は貴重なので網羅しておくべきです。

 

手応え的には、ほぼ全部できたみたいです。(開示がないので言いたい放題)

 

英語

英語はTOEICスコア÷9.9で換算されます。780で提出しました。

高専4年生の終わりあたりから受け始めましたが、コロナで抽選制になり、引きの悪い僕はコンスタントに受けられませんでした。5年生後半~浪人あたりでハズれなくなりましたね。

対策としては、公式問題集と精選模試をやってました。あとはabceedというアプリで参考書をいろいろつまみ食いしてた感じです。

 

多分、受験する方が一番気になっているのはスコアの相場だと思います。

これは僕もずっと気になっていましたが、今になってもあまり確実なことは言えないので話半分にお願いします。

入学後同期と話したりもしましたが全員に聞いたわけではないですし、得点や順位の開示もありませんが、少なくとも合格者の中では「僕のスコアはそんなに高くはない」気がしています。

 

よく聞くのが高専生は英語が苦手な人が多い、みたいなやつですね。まぁそんなに間違ってはいないとは思います。

ただ、これを言っているのは機械系や情報系などのツイッターでやかましい(というより僕も機械系だったのでよく目に入る)タイプの高専生だと思います。実際にはそれ以外の人や、別の大学から受験してくる人もいることを考えておいたほうがいいかもです。

 

(少なくとも僕が当初見ていた機械系学科は)100点扱いになるスコアが設けられていたり、あるスコア以上は換算の傾斜が緩くなる、みたいな大学も割とあったように思います。一方で工繊は頭打ちなく990点で100点になる換算式です。取れるだけ取っておいたほうがいいですね。

とはいっても数学も100点満点のはずなので、TOEICを100点上げるよりは数学で10点取るほうが現実的だろうな、とも思います。

 

専門

専門試験は、実技と論述から選択できます。

 

どちらを選ぶかは当日決められますが、本格的な絵自体が未経験だったのではじめから論述のつもりで行きました。

内容的にはほぼ読解問題で、専門知識が乏しくても何とかなりそうな内容だったため選択しました。

と言いつつ、対策としては過去問を解いてみるくらいのことしかできていません。本来なら関連資料を読んで知識を増やすなり、文章を書く練習などはもっとしておくべきでした。傾向も変わったのに合格できたのは運がよかったとしか言えないです。

 

例年、2つの日本語の文章(デザイン関連と建築関連)の出題でしたが、僕の年は分野融合っぽい1つの日本語の文章とそれに関連する英語の記事の出題になっていました。

初見でちょっと焦りましたが、個人的には英語の分量が思ったより少なかったため、むしろ時間に余裕ができて助かりました。

 

手応えですが、これは何とも言えないです。とりあえず全部書ききりましたが、単純な読み取りだけじゃなく考えを述べる問題もありますし採点基準はわからないです。

普通の読解問題や、英文の要約などは多分大丈夫だったんじゃないでしょうか。

前々年から出題されていた図示問題は、霞堤という堤防の仕組みを示すものでした。正直知らなったですが、文章からの読み取りでなんとか8割再現くらいのものは描けたと思います。こういうのは前知識で知っていれば簡単なので、やはりインプットを増やしておくのは大事ですね。

 

実技試験の方は全然わからないのですみません。

 

試験当日のこと

試験当日のことや知っておきたかったことなど書いておこうと思います。

 

僕は実家から大学まで2時間弱の距離だったことと、他の大学に比べて集合時間が遅めだったことから、前泊などはせず当日朝電車で向かいました。

地下鉄の松ヶ崎駅が最寄りです。一乗寺や修学院の方からも距離はそんなに変わりませんが初めてなら松ヶ崎の方がわかりやすいかもです。

松ヶ崎駅からは、改札を出て左の1番出口、地上に出たらそのまま右にしばらく歩くと標識があるのでそこを曲がると大学が見えます。

 

服装ですが、デザ建の一般入試は面接がないのでスーツである必要はないです。僕は念のためワイシャツを着ていきましたが、英文が書いてるとかでなければなんでもいいと思います。

 

試験科目は全部同じ部屋です。

昼食休憩があったと思いますが、そんなに長くないうえにコンビニは結構遠いので予め用意していったほうがいいです。休日なので生協も開いていません。

 

試験後は一人で高野川を眺めて(専門は川の話だった)しばらく散歩してから帰りました。

一乗寺にはラーメン屋さんがいっぱいあるので好きな方は行ってみるといいと思います!

 

入学後の話

ここからは入学後のことについて書きたいと思います。

先に書いた通り、僕は他分野(機械工学)からの編入でデザインコースに進んでいます。この前提にあてはまらない方はあまり役に立たない情報かもしれないです。あらかじめご了承ください。

 

単位や授業

まず一番知っておくべきこととして、他分野からでも3年次編入可能ではありますが2年間で卒業はできません。必要単位が全然足りないので当たり前といえば当たり前なのですが、一般では面接もなく、入学まで学校側から通知される機会がないので注意してください。編入年次は3年生ですが実質2年次編入みたいなことになります。(工繊は留年と呼ばずに過年度生という扱いになりますが、まぁ留年みたいなもんです。)

 

人文系は一括で認定されるのと、理系科目もおそらく十分に単位変換できるくらい持っていると思うので、入学後は専門科目をとっていくことになります。専門科目だけ、と言われると楽なような気がしてしまいますがそうでもないです。かなり大変です。

というのも、三年間で卒業するためには1年生と2年生の実習科目を同時並行でとる必要があります。(こうしないと三年どころか四年かかる)

まぁこれが大変です。いずれも各学年のメインの科目なので割と重いのに、それが単純に倍で降りかかってきます。そもそも2年生の実習は1年生の実習を前提にしているものです。慣れるまでは本当に大変です。慣れても大変です。

 

もうひとつ、僕が入学前に気になっていたことなのですが、他分野からの編入生はどのくらいいるのか、ということです。

結論から言うと、珍しくないが多くはないって感じです。比較的受験しやすいこともあって他分野から編入を目指してくる人はそれなりにいるのでビビる必要はないです。

ただ、やはり年度により人数にはバラつきがあるので注意は必要です。僕の同期は僕を含めて4人ですが、一つ上の先輩は1人だけだったみたいです。1人で乗り切ったの本当にすごい尊敬しかない。

 

大学生活

ちょっとキツいところばかり書いてしまったので、勉学以外の大学生活のことについても書いておこうと思います。

かなり忙しい風に書きましたが、バイトやサークルなど大学生っぽいことをする余裕が全くないわけではありませんので安心してください。

バイトもサークルも忙しすぎないところなら全然できると思ます。サークルは学年がややこしいので正直馴染みにくいとは思いますが…

 

僕は京大のインカレサークルに週1,2くらいで行ってます。インカレだと学年とかのややこしさを若干有耶無耶にできます。(多分)

工繊は京都の田舎にあるみたいなイメージもあるかもしれませんが、同じ京都市なので京大へは意外と近くて自転車で15分くらいの距離です。

 

それから、またネガティブな話で申し訳ないのですが、いろんな学年の授業に居たり居なかったりする都合上、同じ学科内での友達は作りにくいかもしれません。まぁこの辺は自分次第だと思います。僕はできてません。

 

大学周辺、立地

大学の立地は田舎といえば田舎なのですが、国公立大でまともな路線の駅圏内というだけで結構限られてくるので、個人的には実は割といい方だと思ってます。京大の周辺に比べると商業施設は少ないですが、逆に言えば住宅街なので落ち着いていますし、必要なら都市部にもすぐに行けるという考え方もできます。

ただやっぱり生活するうえではコンビニや(安い)スーパーが少なく、買い物にいちいち自転車がないと不便なのはちょっと面倒です。

まとめると、お上品な家が多いリッチな立地って感じですね。

 

余談

僕はこうせん(高専)からこうせん(工繊)に編入したわけですが、この同音異義がなかなか厄介です。最初はおもしろいなとか思っていたんですが、いざ入学してみると、自分のことを説明するとき本当に面倒くさいです。

しかも英語表記にもInstitute of Technologyとかいう聞き馴染んだフレーズが入っていてややこしい限りです。

最後に

いろいろ書いていたら思ったより長くなってしまいました。

入学してからいろいろありましたが、なんやかんや楽しくやれているつもりです。

 

編入を目指される方、応援しています。もし他にも知りたいことなどあれば、コメントなりで聞いてください。

 

お読みいただきありがとうございました。